目次
 プロローグ
 第1章 社長の報酬を自由に決められない?
 第2章 脱税・租税回避・節税の違いは?
 第3章 贈与したら、贈与者に所得税がかかる?
 第4章 君と先生が同じ所得を得た場合、負担は同じか?
 第5章 健康で文化的な最低限度の生活費に税金?
 第6章 兄弟の税金まで払わなければいけないの?
 第7章 違法な所得も課税されるの?
 第8章 天皇の納税義務?
 第9章 夫の給料は誰のもの?
 第10章 先生の原稿料は何所得だろう?
 第11章 給与所得の必要経費は?
 第12章 パートと「103万円の壁」
 第13章 源泉徴収された分が戻ってくる?
 第14章 会社の所得は誰のもの?
 第15章 法人でもないのに法人税が課される?
 第16章 A法人がB法人に無利息で貸したら、課税されるのはどっち?
 第17章 君たちは消費税を負担する義務があるの?
 第18章 消費税と他の間接税はどこが違うの?
 第19章 食料品を非課税にしても、消費税負担はあるの?
 第20章 なぜ、相続に税金がかかるんだろう?
 第21章 相続税は争続税?
 第22章 ビールと発泡酒とどう違うの?
 第23章 自治体が独自に課税できるの?
 第24章 国際租税法という法律があるの?
 第25章 誤って税額を多く申告した。どうなる?
 第26章 税務署が突然調査にきた。断れるの?
 第27章 脱税が見つかると、どうなるの?
 第28章 納得いかない課税処分を受けた。どうする?
 第29章 日本の税金裁判って、これでいいの?
 第30章 税金の無駄づかいを争えるの?
 エピローグ

2年ほど前に買った本です。法人税について大まかに知りたいと思って購入しました。

先週後半くらいからアチコチのブログで「確定申告、終わりました」というのを見て、この本のことを思い出しました。

ゼミのOGである春香税理士がゼミに参加して、税法に関するいろんな疑問についてゼミ生たちと議論していく、という流れで話は進んでいきます。

買った当時はピンとこなかったり、チンプンカンプンだったりするのがほとんどでした。しかし今読み返してみると「そういうのも関係しているんだ!」「うんうん、そうだよなぁ」と思うことがあり、それなりに税理士試験の勉強が身についているんだと思うと同時に、ちょっと自信につながりました。

「第5章 健康で文化的な最低限度の生活費に税金?」の冒頭で、こんな質問があります。

さて、皆さん。憲法は25条で健康で文化的な最低限の生活を保障していますよね。そうすると、健康で文化的な最低限度の生活費には課税されてはならないはずですね。所得税法はこの最低生活費をいくらだと考えているのか調べてください。

自分で確定申告書を作成したことがある人なら「基礎控除」というのをご存知かと思いますが、これが憲法25条の具体化したものだそうです。つまり年38万円が「健康で文化的な最低限の生活」の保障額になるんだそうです。

この件について2件、裁判があったそうですが、いずれも原告が給与所得者で、所得も多い人だったことから、「所得の多い人が健康で文化的な最低限度の生活が課税で脅かされてるというのはリアリティがない」ということで、簡単に退けられたそうです。

具体的な解説や法律の解釈の仕方などについても触れられていますが、かなり厳しい生活水準と言えそうです。

ネットカフェ難民とか低賃金で使われている派遣労働者が裁判を起こしたらどうなんでしょ。少なくともリアリティはありますよね。

また「第1章 社長の報酬を自由に決められない?」では役員給与の損金不算入について触れられています。法人税法を勉強された方なら「不相当に高額な部分については、損金の額に算入しない」というのを思い出すと思いますが、この「不相当」について論じられています(実質基準、形式基準どちらにしても、限度額はどうやって決めればいいんですかね)。

税法を勉強してて「相当な」ってどれくらい?通達って役人の実務指針でしかないのに、どうして法律と同等の扱いになるの?などと一度でも思ったことのある人にはお勧めの一冊です。もちろんこれから税理士試験を受けようと思っている人にもお勧めです。